今回は2014年6月15日放送「笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ」
を起こしたいと思います。
今回はこちらの続きになります。
新喜劇座長・小籔千豊が語る「僕、割とほんまは普段温和なんですよ」
小籔千豊(以下、小籔)
これは今となればいいのか悪いのか分かりませんけど僕個人的には
そういうふうな時代に戻らんでいいですけど、
僕らを一人間としてというか、
一社会人として見んといて欲しいなってことはすごく思います。
笑福亭鶴瓶(以下、鶴瓶)
これエラいこと言うたな。
小籔
これたぶん批判も多いと思いますよ。
ただ僕は本当に思うのが、(ロザン)宇治原にも言うたことあるんですけど
お前みたいなやつが吉本入ってきて芸人なったことは
日本として大きな損失やと。
お前が入ってきたことなんか別にどうでもええねん。
お前はただの一個人や、ただ京大のやつが入ってきて
多少テレビに出て賢い言われるってなったら
他の京大入ってきたやつがこの先の就職先の選択肢のひとつに
まさか芸人というのも入れよると。
そしたら、かしこがみんな吉本来てみ、日本沈没するわ言うて
「お前は日本潰しとんねん、ええ加減にせえよ」って言って
その大きな十字架背負うてこれからは社会貢献せえ言うて
僕、むかし言うた覚えがありますけどね。
鶴瓶
いやいや、全くその通りでまあそれはテレビ局もいかんねやろうけども、
そない頭良うなって物知って・・物知っていうのはしれたことやん、そんなもん。
覚えたらええわけやん。
そしたら落語覚えてみいいうことやん、なんぼも。
覚え合いするんやったらやで、今まで習うてきたことをもう一遍言うんやったら
それは簡単やろうけど・・
宇治原が悪いわけやないよ、
求めてはることをしてるわけやからね。
それでまた漫才もやればいいんやから。
そういうことばっかりを求めるテレビ局もね、
なんやの?スポンサーの関係でそっちばっかり行ってしまうというかね。
それがいかんやん、そんなん。
小籔
そうですね、このクレーム出す人が・・
僕なんてそんな大したテレビなんかも出てませんけど
クレーム出す人が10人おったら、1000人の人が別にかまへんと思ってる。
あと、500人の人がめっちゃオモロいやんと思ってることも
なしになってまうということが、そこに民主主義はないなというような
気はしますね、最近。
鶴瓶
まあだから芸人が仕事してるところには民主主義はないねん。
俺は1回助けてもうてるからね(笑)
小籔
そうですね(笑)
僕からしたらこんだけ金持ちになったら、もう手緩まると思うんですよ。
それが無茶苦茶金持ちでもまだ攻めてる姿見たときに・・
鶴瓶
だからそれはお金じゃないのよね。
やっぱり絶えず出て行きたいというか、
だから大阪に帰って「誰がオモロいねん」とそれはやっぱり見てしまうもん。
「今、誰がオモロいねん」と、
うちのマネージャーにも「お前見とけよ、誰がオモロいの?」
って俺分からへんから。
小籔
僕それとかも聞いたときにホンマ肝冷えたというか、
うちの新喜劇の宇都宮まきっていう東京では誰も知らんような女にも
すぐ声を掛けていただいてて、なんかこう「面白いな」とか言っていただいている。
うちの今別府っていう誰もしらん肥えたやつを面白いなと言っていただく
こんな偉い方に、それですっちーも似てるなと思ったとか
もう思うこと自体が僕からしたら不思議でしゃーないというか。
鶴瓶
酒井藍ちゃんとか。
小籔
もう東京のこんな素晴らしいラジオ局で出てくるような名前じゃないんですよ。
まあうちのエースではありますが、それとかにもピント合うてる金持ちで
芸歴四十何年やってて、
例えば落語だけやってりゃもう別にお金もあるし、
もう「無学の会」だけやってても一生生活できる
鶴瓶
んなアホな、アホか!「無学の会」なんかやってたら
一生生活できるか!
小籔
いやいやまあ、あれは利益ないですよ。
ただそれぐらい収入ゼロに絶たれたって飯食えんのに何で頑張るんやと。
僕はもう今頑張るのは、家族食わすことと新喜劇広めること
ちょっぴり社会貢献のこの3本柱ですから
今は人にオモロいと思われたいなんて気持ちだいぶ低いですよ。
鶴瓶
それがオモロいやん。
せやけど俺はまあ言うたら上方落語協会っていう協会があって
そこにちょっとでも噺家がいいように出たらいいと。
まずはそれだけで生活している人たちもおるから、
それはそれでええねんけど、そうじゃなく死ぬまでに貢献して欲しいし
だから「無学」もそうやし、今の歳になったから言えるけど
また次の小屋を作ろうとする計画もそうなんよ。
だから繁昌亭があって、よそのところにも・・まあ噺家が二百四十何人おるから
そこでは年に3回くらいしか出番がないから
今度こっちに出番を作るところをちょっと考えてやろうとかね。
そういうなんを皆で考えてるわけですよ。
そこはおやっさんがこの世界入れてくれたことの貢献っていうのはあるやろからね。
だから小籔が思うてるようにそうやわ、
だけどもっと言えるのは噺家がやっぱり早くテレビに出る人間がいないと
俺も出続けるよ、出続けるけど誰かいないと。
今、さんまが「よっしゃ協会に入る」って言うんやったら、
これはすごいことやわな。こんなもん鬼に金棒やで。
だからさんまは来てくれるかどうか分からんけど、
あれはもうずーっとそのまま居とんねん、あれさんまね。
小籔
まあ落語家さんですよね。
鶴瓶
落語家やと言い続けないとあかんわけやろ?
何家やねん?言うたらまあ「さんま」いう種類かも分からへん(笑)
小籔
ジャンルで(笑)
鶴瓶
「さんま」いうジャンルやろうな(笑)
でもそやけど、元・笑福亭ですからんね。
そういう意味では下が育って欲しいっていうのはあるわな。
小籔
その八方師匠もよく言っていただくのは、
「お前、落語家の若手従えて大喜利の何かやってくれへんか?」みたいな。
「好きな頭叩いたり髪の毛引っ張り回してええから
お前イジって何とか一人前にしてくれへんか?」みたいなのは、
ホンマに2年おきぐらいに1回ずつ言われるんです。
八方師匠の中でやっぱり、あの人って
人のこと何にも考えてなさそうな感じの雰囲気ですけど・・(笑)
鶴瓶
いやでも俺も八方兄やんもそんなこと考えてなかったんやけども、そうせなあかんと。
だから八方兄さんも「八聖亭」っていうのを作った。俺が「無学」
それからざこば兄さんは「動楽亭」を作った。
だからそういうことにやっぱりなってくんねん。
そういう連中らが、もう自分のことしか考えてなかったと思われてた連中が
そうなってきてるわけよ、だからそこでやっぱり育って欲しいなと思うし。
やっぱり落語家で誰かオモロいやつ・・だから八光は上手いこと育ってるよね。
小籔
はい、あいつ見てホンマ思うたんがもう人間力が高すぎるんですよ。
だから八方師匠っていう適当なおっさんがお父さん、
奥さんがすごいたぶん豪快な剛力なお母さんなんですよ。
その間に生まれてるから、落語家さんで覚えてこともきっとあるんでしょうけど。
すごい人に対する気遣いとかこう・・他の行儀良い後輩とはまた違う種類の行儀良さというか
まあ品もあるんですかね?
あれ見たときに、「あっ、ええやつで気遣いも出来へんかったら売れへんな」って
いうのは他の漫才師とか新喜劇の若手とかでも表向きは行儀がええけども
その心こもってない行儀というか、型にはまって
先輩にごちそうしてもろたら店出てから
「ごちそうさまでした」っていうのがインプットされてるだけで、
ホンマにこの人に対して「ありがとう」と思う
動きをしなければならないってなったときにたぶん思いつかへんねんやろうなと。
だからあんまり仕事ないんか・・と。八光はもう細やかな気遣いっていうのは。
鶴瓶
いやもうホンマにそうよ!
気遣いが絶対に必要っていうんか、けどそれは動く自分の・・
俺はそんなつもりもないのに
「要領ばっかりかましやがって」って俺おやっさんにずーっと言われたけど
俺いったいどこで要領かましてるんのか、あまりにも言われるから
要領かましたあかんようにするから、余計不器用になって
でも逆に不器用になることによって誠実さがあるように思われるところがあるから
それはよう言うてくれたなと思うね。
「あっ、要領かましたように見られてはあかんな」っていうね
いろんな技術を教えてもろうた思うよ、おやっさんに。
小籔
すごい重たい言葉ですね、今から思うと。
そのときは困ったでしょうけどね。
鶴瓶
こいつ見て、適当に上手いことするような顔やし適当に調子もええやろうから
まず言う言葉は「要領ばっかりかましやがって、アホンダラ」いうのが
もう口癖みたいに言われたもん。
小籔
他の方には言わないんですよ。
鶴瓶
他の人には言わへん。
だから俺、早いこと売れたからね。
だから兄弟子にカバーしてもらうための言葉やねん。
「そんなお前気にせんでええで」と。
「おやっさんに早く稽古付けてもらえや」って言うてもらうための
言葉がおやっさんの罵声になるわけ。
すると兄弟子みんな、だから未だに兄弟子みんな可愛がってくれるし
もう本当に売れれば売れるほど罵倒されたわね。
小籔
うわーそれは優しいっすね。
鶴瓶
でも30過ぎてちゃんとお金があれになるようになって
おやっさんと一緒に番組し出して、まあ若いときからしてたんやけども。
「お笑いつるべ打ち」いうて僕のタイトルついたやつにおやっさん出てたり
「突然ガバチョ」に出てたりしてたんやけど、
だんだん一緒にやってくることによっておやっさんもちょっと・・
まあええ言葉は言わへんけども・・
で、一番の夢はおやっさんを連れて芸者さんと遊ぶこと
それを僕が払うことっていうのがちょっと夢やって
それはそれで実現し、
クラブも行っておやっさんに恥かかさんように出してるという感じに
なるのが一番ええのかな?って思うから
だからそういうことが出来たことは幸せやわね。
小籔
いやホンマに後輩でも、イタイやつっておるじゃないですか?
まあそのマザコンなのか・・可愛い可愛いされて育ってきたのか分かりませんけども
その配慮が出来るっていうのは普通の大前提が分かるってことですよね?
普通の大前提が分かって相手に配慮が出来るってなると、
普通を知ってるからアホなことやってウケるんですよ。
でも、イタイやつって普通がおかしいから、おかしい自分の普通を信じて
「うん、これ普通やな」だから違うことやろうって
逆に普通のことやってまうやつとかおるでしょ?
だからオモロないというか、イタイやつのツッコミとかでも例えば
先輩に鼻クソつけるイタイやつがおったとしたときに
相方のボケのやつが先輩役の相方に鼻クソつけたときに
「普通やないか!」ってツッコんでまうわけじゃないですか(笑)
やっぱり僕は無茶苦茶でいいと思うんですけど、その辺の気遣いとか
配慮が出来るということが結局はええツッコミとか、
ええボケにつながるんじゃないか?ということに・・
鶴瓶
いやだからそこにないと、そこをまずニュートラルに入っとかないと
やっぱりトップに入れれないというところがあるやんか?
だけど小籔がたまたま可愛がってる連中らが俺のラジオに出たりするんやけど
やっぱりあの子らは行儀がいいねん、良い意味で。
すごい気持ちええねん。「あれ何やろうな?」と思うくらい気持ちええよ。
酒井(藍)もそうやし、(宇都宮)まきちゃんもそうやしね。
上手いことしてるなあ、あれ。
小籔
いえいえもう新喜劇は本当に厳しいというか、
吉本の中でも後輩たちは行儀ええ方かも分かんないですけど。
あの2人は特にまだちょっと勘ええので。
鶴瓶
ものすごい勘ええよな?
小籔
ありがとうございます。
勘だけですわ、あの2人は。
大してオモロもないし、努力もしてないと思いますしね。
オモロいことも別に何も考えませんけど、
勘ええのでそんなに人を嫌な気持ちにさせるような行動とかは
してないなというのはすごい思いますね。
鶴瓶
今別府もそんなに絡んだことないねんけど(笑)
小籔
今別府というデブのやつがおるんですよ、大阪で。
それが僕と新喜劇同期に入ったんですけど、だいぶ後輩。
友近と同期ぐらいですね。
入ったときが28歳、あいつ高卒なんですけど
18歳から28歳までバイトを含めて労働をした時間
ギューッとしても1年ないんですよ。
だから9年以上ひきこもっているというか、
家で親にメシ食わせてもらってたんですね。
で、あんまりにも親に家で居り過ぎて
親もあんまり言えへんけど「悪いなあ」と思って
意味なく隣町まで自転車で行って帰ってきたりとか、それ仕事やないのに(笑)
外にも出てるよというのをアピールするぐらいのやつが
新喜劇に入ってきたんですよ。
でまあ、昔はちょっと容姿でいじめられたり
それで坐骨神経痛で中学のときに入院したりとか
なんかおかしな変わった生い立ちなんですけど。
その子はやっぱり人と何かを成し遂げたことないから
すごい人をかばうとか、人におごるとかそういうのがないんですよ。
いじめられてたから自分のもろうたパンは自分で食べる。
自分でもらったギャラは自分で使う。だから人にも別に期待せえへん。
でもおごってもらうものはいただくみたいなのをずっとやってるときに、
僕は「この子めっちゃオモロい」ハネる可能性あるなと。
芸人っぽくないんですよ、今まで見た人の中で。
何も考えへん、ギャグもない、トークもオモロない。
ネタも考えようとしない。もう居るだけという。
ホンマ面白い人にイジられたらこいつめっちゃテレビ出るかも分からんなと思って
いろいろ「芸人というのはな・・」とか「先輩と飲みに行けよ」とか
何かこう「後輩におごれよ」とか言うても、ホンマ先輩と飲みに行っても
夜12時になったらいつも寝てるから、全然「僕この辺で帰ります」言うて
仕事もないのに帰ったりとかそんなんばっかりしてたんですけどね。
だんだん良うなってきました、最近は。
鶴瓶
いやいやそういう過去があるというのは言われても
ちょっと信じがたいところはあるよね?あんな大衆の前であっこまで出来るいうんかね。
小籔
ほんでこの世界入ったときに、周りの(吉田)ヒロさんとか先輩とかと
「お前童貞やろ、今まで彼女おらんかったやろ」って
「いや19歳のときに1人だけいてます」言うて「嘘つけ!」言うてみんなで
「いやホンマです」って、「どうやって知りあってん?」
「友達の友達の紹介です」言うて「いや、嘘やろ!」みたいな
そういうのをずっと言うてたんです。
その「今別府、彼女がいた」疑惑があったんですね。
それをみんな何年も言うてるから飽きてきて「別にどうでもいいわ」ってなったんですけど
この小籔という老刑事だけはその事件をずっと追ってたんですよ、もう諦めずに。
5年後経ってもちょっと事情聴取したりとか、みんなで飯食うてるときに
「彼女おったんってホンマか?」みたいな「いや嘘です、しつこいですね小籔さんも」
「いましたよ、何年言うてるんですか?」「そうやなあ・・」みたいな
それで「初デートはどこ行ってん?」みたいな言うたら
あいつ尼崎なんですけど、ポートピアアイランドに行きましたと。
「そんなら俺もよう行ったけど、ポートピアってカップルが嬉しい
ジェットコースターあったよな?どんなジェットコースターか言ってみろ」
みたいな言うたら、顔めっちゃ焦り出して「えっ!」みたいな。
「いや、すみません。ポートピア違いました宝塚ファミリーランドでした」
って言うんですよ、もうこんなん限りなくクロに近いじゃないですか(笑)
「そうか」って言うて、
「クソッ、こいつは宝塚ファミリーランド家族で
行ったことあるから知ってるんやろうな」思うて
まあ、宝塚ファミリーランドはええわ言うて、「その後どうしてん?」って
「ファミリーランド言うて帰ったわけ違うやろ」
「その後、僕六甲の夜景を見に行きました」言うたときに
「はい捕まえた!お前嘘やそれは」言うて、
「いや何でなんですか?」って言うから
「お前、車の免許も持ってへんのに宝塚から電車に乗って、六甲の夜景見に行くって
山普通に歩いて行ったんか?と20時くらいに夜景見て女と2人で歩いて下山したんか!」
「嘘やないか、そんなもん!よう今まで嘘ついたな」言うたら
「すいませんでしたー!」言うて、認めよったんですよ(笑)
本当に5年捜査しまくってやっと最後に・・
鶴瓶
老刑事よう頑張ったな。
小籔
本当に時効間際に捕まえたんですよ。
ほんで「あのな、俺がなんでこれを突き詰めたか分かるか?」と。
お前が付き合うておうがどうしようが俺の給料変わらへんからどうでもええねん。
ただこの関係の中でお前みたいな生い立ちのやつは全部嘘なく包み隠さず
俺に言うてた方が番組出たときに「こいつね、こんな過去なんですよ」言うて
一盛り上がりする可能性もあるわけやと、お前なんか今までの生い立ち晒すしかないねんから
全部嘘つくなそれは、恥ずかしいこと違う。
「何やったらお前の武器やねんからええがな!」言うて
「分かりました、これから嘘つきません」って言うてたんですよ。
鶴瓶
もうこんなんはね、それが芸人なんや。
もう何でも・・まあ犯罪だけ犯したらアカンよ、それは絶対アカン。
クスリとかそんなんはもう論外。
小籔
それはオモロないです。
鶴瓶
それはオモロないやん、そんなね。ただどんなに中学のとき、いじめられたやつでも
絶対このポイントはオモロいというのはあるねん。
芸人になりたい言うてるやつだけよ。
だからそれはみんな認めてやらないと、その世界入ったときに
そこをちゃんと認めてやるというのはすごく大事で・・
小籔
そうですよね、だから人のオモロい話聞いたら必ず共通して登場する人物が
不幸な人が絶対出てくるんですよ、「鶏のフンが頭に落ちた」これ不幸ですよね。
家がものすごい貧乏やった、不幸です。
やっぱり不幸な人が出てくる話がオモロいってことは
僕も何か不幸なことがあったとしても「この後オモロい話になるかもな」
って思うんですよね。
だから病気やなと思ったのが、母親死ぬ瞬間のときに
オモロい話探しましたから、そのとき俺「病気やな」思いました。
鶴瓶
ホンマに自分自身は俺もそうやな・・病気なんやなある種。
だけどこの間うちのくり万にも言うてたんですけど、
これはもう名前出したら・・まあ後で電話して謝ろうと思うけど
小籔
いやそんな大層なことやったら(笑)
大丈夫ですか?
鶴瓶
いやいやいや、俺が悪いということなんですけどね。
あるところで言うたらお金を下ろしました。
下ろしてその明細があるから分かるんですけど、13時53分。
その後落語会に行きました、雨降ってた。
落語会は小さいところなので楽屋2人なんですよ、2人しか入られへんと。
僕が高座に上がってると、降りてくる。飛び入りでさせてもうたんですよ。
降りてきてそれでそのまま「もう帰って下さい、これみんなと行かなあかんから」言うから
俺もそのまま帰ってお金払おうと思ったらお金がないと。
10万ないんですよ、10万とは分からないですよ。
20何万あったらそれぐらい分かるやん?
「これそいつ違うか」とずっとちょっと疑うやんか?
小籔
まあ2人しか入れないですからね。
鶴瓶
2人しかいてないし、その下ろしたあとすぐやから。
小籔
普通の刑事でもそう思うでしょうね。
鶴瓶
でもずーっと悩むやん、それが6月の7日。
それで10日の朝にもう忘れててん「もうええわ」と。
でも何にも使うてないしね、と思って。そんな金使えへんねんから。
そんな額使われへんわけやん、その時間。そんな分かるやん。
ほんだらね、今電話があって新宿で「駿河さんお金を取り忘れておられます」と。
ATMでね、「えっ、何ですか?」って向こうは俺やと知らないのよ。
「そうですか?」と、俺その人も疑うてるやんか、その一緒になった人も
それから後ろで待ってたパンクロックみたいな感じの服着とったやつも疑うてたり
その人がその裸のお金を持っていってくれて、それが分かったわけよ。
だから俺ね「何でこんなに人を」
それで俺、嫁はんに「その人に電話するわ」と。
小籔
パンクロッカーの人に?
鶴瓶
パンクロッカーは知らんけど、噺家に。
小籔
はいはいはい、「疑うてた」と(笑)
いやそれは黙っててもいいかも分からんところを。
鶴瓶
そしたら嫁はんが「あんたアホか」と。
「そんなもん思うてただけで、その人知らんねんから聞いたら余計気が悪いで」言われて
小籔
それは奥さんと僕は同意見ですよ。
鶴瓶
そやけど、もうそこだけが悪うて悪うて、まだパンクロックを疑うのはいいけど
同じ商売のやつを疑うてたり、ちょっとの期間があったいうことだけでも嫌でね・・。
小籔
師匠、「僕らみんなで行かなあかんので帰って下さい」ってもう
犯行的にバレへんように早くこう促そうと思ったというふうな考えもあったんわけですよね?
今そのクダリをおっしゃったということは(笑)
鶴瓶
それはない!それはない!
小籔
いやいや、それ言わんでもいいところをあえて。
「僕ら行かなあかんので」「しゃーなしに帰ったんや」いうことは
もうバレへんようにこの師匠を早く帰らした方が俺の完全犯罪は成立すると思ったという・・
鶴瓶
もっと言うと、俺が高座を降りてきた時にお金を出そうとしよった。
「師匠、これ些少ですけど」言うから
「いらん、俺が飛び入りで出たんやからそんなん要らないねん」言うてん。
まさかお金を出そうとしてる人がそんなことせえへんよな?とか
小籔
いやまさかそれが行って来いされるためにと思うてはったん違うんですか?
鶴瓶
アホなこと言うな!ほんだら俺の金入れて俺に渡そうとしてた?んなアホなこと言うな(笑)
いやでも人間ってそういうのって、芸人ってオモロいよね?
小籔
それをまた電話しようと思うっていうことが、
たぶん師匠もちょっと悪いなという気持ちが9割あったと思うんです。
あとの1割は「これ電話した方がオモロいかもな」っていうのが・・
鶴瓶
そやねん、これ電話した方がこういうところで名前出して言えるやん。
で、そいつも理解してくれるからそっちの方が俺も楽にしゃべれるんじゃないか?と。
小籔
それでその方も「僕ね実は・・」みたいな。
鶴瓶
「疑われたんだ」と言えるやんか。
「あの師匠悪い人でっせ、後輩疑うて勝手に」
だからいろんなことが出来るわね、逆に。
小籔
それオモロいっすね。
いやでも師匠しゃーないです。それは僕でも疑うし。
たぶん他の品行方正な・・まあエリザベス女王でもたぶんね疑うと思います。
エリザベス女王が高座に飛び入りして、鞄の中から100ポンドなかったら
「あいつ違うか?」とそれはあんだけの金持ちでも思うはずですわ。
鶴瓶
俺、なんで「あいつ違うか?」と思うねやろ?
俺いつもなくなったら「誰が盗ったん?」とか思うてまうねん。
本当になんか変な性格に産んだわ、誰でも疑うの?
小籔
それは誰でも疑います。それを疑えへんのってそれこそガンジーとかね。
ダライ・ラマとかそんなレベルやと思いますよ。
なんやったらガンジーでもちょっと疑うんちゃうかな?と思いますよ、抵抗すらせえへんけどね。
鶴瓶
俺はでも寝るときにずーっと考えたもん。
分かるやろ?明細見て時間も書いてあるし、あそこの間で使ったなとか。
いやいや違う、あれは違うがなその前やとか、明細あんねんもん。
小籔
それで心の中でも「いや別に10万欲しいわけと違うねん」
それが100円だとて、あいつのことを疑ってると
俺はもうそういう心や嫌やねんとか自分に言うたりとかしてるでしょ?(笑)
鶴瓶
俺寝るとき、ちょっとしばらく寝られへん。
でも10万よ?なんぼか分からへんけど。
人間ってそういう意味ではオモロいよな。
続きはこちら
小籔千豊が語る「あっ、鶴瓶さんのせいやな」
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