町山智浩が語る「メジャーリーグ史上初の黒人選手ジャッキー・ロビンソン」

2013/06/03

ジャッキー・ロビンソン たまむすび ハリソン・フォード メジャーリーグ 山里亮太 赤江珠緒 町山智浩

今回は、2013年4月23日放送「赤江珠緒たまむすび」
「たいしたたま」町山智浩さんの回
起こしたいと思います。



町山智浩(以下、町山)

今日はね、アメリカ映画なんですけども
日本語タイトルはどうなるか分かんないんですが
原題は「42」っていうタイトルの映画です。

日本では秋公開ですけども、これね背番号なんですね。野球の。
で、この間4月15日はね、この「42」の日だったんですよ。アメリカは。

赤江珠緒(以下、赤江)
あっ!ニュースで日本でも流れましたよ!
皆さんが背番号「42」でみんな「42」付けてるっていう日で。

町山
そうそう、メジャーリーグの各球場で全米の全選手が背番号「42」のユニフォームをつけて。
これは4月15日は50年ぐらい前の1947年の4月15日がですね、
メジャーリーグで初めてのアフリカ系黒人選手が試合に出た日なんですよ。

それを記念してその人、ジャッキー・ロビンソンっていう人の
背番号「42」をみんなが着ると。


赤江
そうそう、イチロー選手とかもつけてましたもん。

町山
そうなんですよ、これね永久欠番になってるんで
普段は絶対に着れない背番号なんで、すごく意味があるんですけど。

で、この「42」っていう映画はですね、
この1947年の1シーズンだけを描いた映画なんですね。
このジャッキー・ロビンソンが出た1シーズンだけを描いた映画なんですけども。

でね、これがね如何に大変だったか?というとですね
その1947年っていう時代はアメリカでは南部の方では
黒人の人を白人から完全に隔離して学校から公衆トイレから公園のベンチ、
レストラン、バスの座席、全てにおいて黒人と白人をキッチリ分ける
「人種隔離法」っていうのがあった時代なんですね、1947年。
これに対してこれを撤廃しようという運動が始まったのって1955年なんですよ。

赤江
あ、それより前ですね。

町山
撤廃運動が始まるよりも更に8年も前でしかも撤廃運動から
実際に撤廃されるまで9年かかってるですよね。

実際に撤廃されるよりも17年も前に
人種の壁を突破した男がいたっていう話なんですよね。

赤江
じゃあまだまだ本当に風当たりが黒人の方に強かったという時ですか?

町山
そうなんですよ、これまずどうやって始まったか?っていうと
「ブルックリン・ドジャース」っていうチームがあって
「ドジャース」って今ロサンゼルスにありますけど。

元々は「ドッジする人」っていうのはね、
ドッジボールの「ドッジ」と同じで「よける人」っていう意味なんですね。
ブルックリンっていうのは下町で車とか路面電車がバンバン走ってるんで
よけないと歩けないんですよ!


だから「ブルックリンに住んでる人」っていう意味なんですね。
「ドジャース」っていうのは。

「ブルックリン・ドジャース」のジェネラルマネージャ・会長の
ブランチュリッキーっていう人がですね突然、
「うちのチームに誰か黒人を入れろ!」って言うんですね。

みんな反対するんですけども、どうしてか?って彼が説明するとまず
ブルックリンには黒人の人がいっぱい増えてると労働者として。
彼らが客として呼べるだろうと。

で、他の地域に行っても黒人の人たちの中産階級かが始まってるから
戦争が終わったんで、彼らが客で来るから儲かるぞ!って言うんですね。

赤江
話題性みたいな感じで?



町山
話題性も上がるし、もうかるぞ!と。
しかもそれで強い奴を入れたら勝てるから、ますます儲かるじゃないか!
って言うんですね。

みんなすごく反対して、特に南部に行ったら大変なことになりますよ!って言うんですね。
「もう試合なんか出来ないですよ!」と。
選手もみんな反対してですね、ドジャースの選手たちは署名運動をして

一緒に試合をするっていうことは着替えやシャワーも一緒に浴びるっていうことだから
そんなことは黒人とは出来ない!っていう署名を提出するんですけど。
そうするとリッキーっていうGMはですね、
「じゃあ早くここのチーム辞めろ!」って言うんですね。

今度はリーグ全体の会議になったら、ドジャース以外のチームが全部反対するんですよ。
そしたらそのリーグの会長は「いや、これはやろう!」って言ってくれて助けてくれたんで
実際に契約が進むんですね。ジャッキー・ロビンソンとの。

ただね、一つ問題があって。
そのジャッキー・ロビンソンっていう人はものすごく正義感の強い人だったんですよ。
選手としては一流だったんですけども、兵隊に行ってる時にですね、
南部のテキサスに仕事で行っててですね、部隊があるので。

その時にバスの運転手からは
「お前ちょっと黒人席に移動しろよ!」って言われたんですね。
そしたら頑として動かなかったんですよ、彼は。
それで逮捕されちゃったんですよ、警察に。

そういう人だから、このリッキーっていうGMはですね
一つだけ約束してくれって言うんですね、ジャッキーに対して
「君はメジャーリーグで初めての黒人選手ということでひどい攻撃を受けるだろう」
「いろんなところであらゆるところで攻撃を受けるだろう」と。

「試合会場だけじゃなくて家でも攻撃を受けるし、全てのところで攻撃を受けるだろう」と。
「でも一つだけ約束しろ、絶対に怒らないと」って言うんですね。

そしたらジャッキーは、
「えっ!そんなことをされて怒らないような根性無しは選手として欲しいんですか?」
って言うんですね。

赤江
そうですよ、あまりに理不尽な・・。

町山
そしたらリッキーはこう言うんですね。
「どんなことがあっても我慢し抜く根性が欲しいんだよ!」って言うんですよ。

リッキーという人はものすごいキリスト教徒なんですよ。
彼が言っていることは右の頬を打たれたら左の頬を差し出すキリスト的な根性なんですね。


もしやり返したらすぐに「黒人は野蛮だ!」って叩かれてしまうし、
ジャッキーも考えるんですけど、もしそうなったらこの後どんどん続いてくるはずの
黒人選手たちのチャンスも奪うことになるし、黒人の子どもたちの夢も奪うことになると。

「だから、絶対に怒らない!」って誓うんですね。
それからツアーっていうか試合のシーズンが始まるんですけども。
こっからがもう大変なんですよ。
まず全員が敵なんですよ、もうとにかく!

赤江
えっ!チームメイトも?

町山
チームメイトも全て敵ですね。
まずそのドジャースの自分の球場に行くわけですけども。
そこでもって白人客全部ものすごい怒号ですよ!もうみんな。

「黒人の来るところじゃねーぞ!とっとと帰れ!」と来るわけですよ、「ニガー!」とか。
それで今度バッターボックスに立つとピッチャーがばんばん
ビーンボールを投げてくるんですね。危険球。ただね、この当時ヘルメットが無いんですよ!

山里亮太(以下、山里)
うぉあ!

町山
この当時デッドボールで何人も死んでるんです、野球選手は。
だからもう殺す気で投げてるんですよ、ばんばん頭狙って。
今度、塁に出ると明らかにセーフなのに塁審はアウトを宣言するんですね。

赤江
ルールまで!!

町山
審判も全員敵なんですよ。
今度、彼はファーストになって守備をするんですけども。
ファーストに来た球をキャッチしたときにもうアウトになってるのに
ファーストに向かってきたランナーはそのまま走り抜いてですね。
ジャッキーのふくらはぎを狙ってスパイクでカットするんですよ。
切り裂いてくるんですね、アキレス腱の辺りを狙って。

山里
アストロ球団・・。


町山
アストロ球団ですよ!まさしく!!殺人野球ですよ!!

山里
ありましたね、そんなシーンいっぱいね。

町山
ねぇ、いい話出ましたね!アストロ球団!

でまぁ最初はこれでも差別の少ないところを回ってるんですけどもフィラデルフィアとか。
どんどん差別のひどい南部の方に入っていかなきゃならないんですよね、ツアーだから。
もう大変な事態になっていくんですけども。

特に最初に2軍でファームで試合するところですごいことが起こるんですけども。
彼がホームスチールに成功するとですね、保安官が銃を構えてフィールドに入ってくるんですよ。
で、「盗塁したから、逮捕する!」って言うんですよ。

山里
えっ!盗塁?塁を盗んだってこと(笑)

赤江
もう野球をやろうという気は無いんですか?

町山
「俺の目の前で黒人と白人が野球をするのは許せん!」とか言って逮捕しに来るんですよ。
もう無茶苦茶なんですが、でまぁこれは試合の上だけなんですけども。

今度は泊まんなきゃならないじゃないですか?ホテルに。
するとホテルではもう「黒人お断り、君だけ出て行け」って言われるんですね。

しょうがないからどっか郊外の方の知り合いの家とかに泊めてもらうと、
今度はそこを嗅ぎつけた白人たちがリンチしようして集まってくるんですよ。
すごいんですよ、「白人に恥かかせやがって」っつって。
もうこれはすごいですよ、これ・・。

赤江
それは流石にどっかでキレそうですけどね。

山里
そっかでも約束守るんですよね。

町山
これね映画の中で1回キレるシーンがあるんですね。
キレてダッグアウトのところでバット振り回して暴れるシーンがあるんですよ、
ジャッキーが。

ところがね、これも映画監督がテレビで言ってたんですけども。
どうしてもジャッキーがキレないと観客も辛いだろうと思って
キレるシーンを入れたんだけれども、実際はジャッキーは1回もキレてないんだって!!

「これフィクションだから」って言ってて、「えっ!すごいな!!」と思いましたよ!
ジャッキー・ロビンソンっていうのはそれまでは理不尽なことがあると
全部戦ってきた人なんですよ、文句言って。

それが「止めろ!」って言ったらピタッと止まったんですね。
これはすごいですね。
彼、自分自身にかかってる責任とかを考えたんですね。

「俺がここでケンカをしたら全ての黒人選手がこの後道の跡継ぎ出来なくなるんだ」と。
「少年たちの夢も全部崩してしまうんだ・・」って言って
どんなことがあっても耐えるって決めたんですね、彼はね。
これがね、すごいんですよ。

それでもね、孤立無援なんですよ。けっこうチームの中でも。
チームの人たちはみんな「お前なんか入って来るな」って言った人たちだから。
で例えば、シャワー浴びるときも全員がシャワーを浴びるまで
じーっと黙って待ってるんですよ、誰にも話しもしないで、ジャッキーは。

全員がシャワーを浴びた後、ひとりだけシャワーを浴びるんですよね。
だからもう自分の辛さを誰にも打ち明けられないし。
まぁ奥さんにだけは話しますけど、もうそういうすごい孤立無援の戦いを続けるんですよ。彼は。

赤江
いやー、辛いなぁそれは・・。

町山
これ、すごいんですけど。
ただ一人だけ味方がいて、さっき言ったリッキーっていう球団の会長なんですね。
これを演じてる人がハリソン・フォードなんですよ。

「インディージョーンズ」とかハン・ソロのハリソン・フォードなんですよ。
ハリソン・フォードっていう人は本当にやる気のない俳優さんなんですよ。


赤江
えっ!けっこう冒険されてますけど!

町山
これはね、僕が直接インタビューしてハッキリ聞きましたんで。

「ハリソン・フォードさん昔は『モスキート・コースト』とか『目撃者』とか
 非常に素晴らしい映画で演技をされてますけど、
 その後はどの映画も本当にやる気が無さそうですね?」って言ったら、

「うん!!」って言ったんですよ!
「僕はあまり映画に興味は無いし、普段も映画を見ないんだよね」って言ったんですよ。

それで、「えっ!僕はすごく映画を見るんですけど」って言ったら
「他にやることがあるだろ!!」って言われたんですよ、僕は!!

赤江
ハハハハハハ(笑)
ハリソン!!!!

町山
ハリソン・フォードにハッキリ言われましたよ!
テープも残ってますよ!
「いろいろあるんだよ!」って言われました!

山里
あなたがそれを言っちゃダメでしょ!っていう話ですよね本当に・・。

町山
そう、だからものすごい省エネ演技で竹中直人さんとかハッキリ言ってますけど
いつも困った顔で右往左往してるだけなんですずっと、ハリソン・フォードの演技は。

それを20年以上続けてきたんですけど、
今回は全然違うんですよ!

今回は「黒人をチームに入れたのは金のためだよ!」とか言いながら
徹底的にそのジャッキーを守り抜く・・こう何て言うのかな?
裏と表が分からない男なんですね。

例えば他の選手でピウイっていう選手がですね、
ケンタッキー出身なんですけど、ケンタッキーに行くんで、
「ケンタッキーに行くときにジャッキーは出さないでくれませんか?」と。
「ケンタッキーの人たちは南部の人たちだからすごく黒人が嫌いだから、
 僕はケンタッキー出身だから立場がないから」って言うんですね。

したら、「ん?そんなことでガタガタ言ってんなよ!」っつって
ハリソン・フォードはですね、バーンと手紙をぶちまけるんですよ。

「これ見て見ろよ!」っつって、「これ脅迫状だよ!」っつって見ると
「お前ら皆殺し!」とかいっぱい来てるわけですよ。
「黒人に野球をさせやがって!殺すぞ!」とかいうのがザーッと来てるんですよ。

「ビビってんじゃねーよ!」ってハリソン・フォードが言うんですね。
そういうところですごく太っ腹なんですよ。
でもそれをハッキリと見せなくて、「えっ?何のため?金のためだよ!」って言うんですね。

山里
あーーっ、カッコいいな!

町山
カッコいいんですよ!けっこう。
タヌキ親父なんですけどカッコいい・・
ハリソン・フォードもう・・ちょっと一世一代の名演技ですね、この映画では。
手抜きしてませんよ!今回!

山里
「インディージョーンズ」も手抜きしてるようには見えなかったけどな(笑)

町山
いつもすごい手抜きしてますけどね、この人本当に。

赤江
そうだったのか・・。

町山
でね、この人がやっぱりジャッキーから
「ちょっと本当のことを教えて下さい」と。
「金のためだけじゃないでしょ?」「僕を入れた理由、本当は何ですか?」と
「こんな脅迫状まで来てるのに!」と聞いたら、

リッキーがぼそっとですね。
「わしは昔オハイオで大学の野球部の監督をしてた時に
 1人黒人選手がいたんだが、彼はどこのホテルにもレストランにも
 乗り物にも乗せてもらえなかった」と。

「わしは何も出来なかった・・」と、これは本当の話なんですけど。
「それで私は野球が嫌いになった。でもジャッキー!
 君のおかげでまた野球が好きになってきたよ!」って言うんですよ。

山里
カッコいい!!

町山
もう泣けるんですね。
ハリソン・フォード珍しいですよ、泣かされるとは思わなかったですよ(笑)

山里
町山さん、言い過ぎじゃないですか!(笑)

町山
もうやる気無さそうな親父だなーって思ってましたからね(笑)

それでだんだんこう・・ジャッキーはただ耐えてるだけなんだけど
それを見ている内にみんなの気持ちが変わってくるんですね、選手たちの。

でね、フィラデルフィア・フィリーズとの試合で
これすごく有名な事件なんですけど、実際にあった・・。

ジャッキーが打席に入る度にフィリーズの監督のベン・チャップマンっていう
南部出身の監督がですね、「ニガー!ニガー!黒人帰れ!」ってやるんですよ、毎回毎回。

でもうジャッキーはそれにずっと堪え忍ぶんですけれども、
そうすると今まで何をジャッキーが野次でひどいことを言われても
ビーンボール投げられても大して反応しなかったですね、
ドジャーズのチームメイトのうちの1人のセカンドのエディ・スタンキーって言う人が
サクッと立ち上がってズカズカと敵チームのベンチまで行って
チャップマンの正面に立って言うんですね。

「ジャッキーが何を言われても言い返せないってことを知ってるだろう!お前!」
「それなのにこんなこと言うのか!この卑怯者!」って言うんですよ!

それがきっかけみたいな感じになってチームメイトの気持ちが
どんどんジャッキーに集まってくるところもなかなか泣かせるんですよ!

でそのピウイっていう選手、その人はショートなんですけど
その人がビビってたシンシナティでの試合ではもう客席が
「ニガー帰れ!ニガー帰れ!黒人に野球をやらせるな!」っていうね野次で騒然となって
試合が始められないくらいになっちゃうんですよ。

したらそのピウイがですね、ジャッキーのところまで歩み寄っていって
彼の肩をがっちり抱いてですね、観客席に向かって微笑むんですね。
何も言わないんですけど、「こいつは俺の仲間だ!文句あるか!」っていうのは
分かるわけですよ!

それまですごい野次を飛ばしていた観客がさーっと静まりかえるんですよね。
恥ずかしくなって、自分が。こういうところも本当に泣かせるんですけどね。
そういういい映画なんですよ!!

赤江
しかも実話ですもんね!

町山
実話なんですよ、このジャッキーって言う人はヒーローだったっていう
映画じゃ全然無いんですよ!ジャッキーはただ耐えてるだけで、
周りの白人の人がどんどん変わってくっていう映画なんですよね。

赤江
いやでもやっぱりヒーローだったんでしょうね。
なんかあの町山さんのお話うかがってると、そうやって社会が変わっていくときって
強い者の方が歩み寄るべきだなって思ってたんですけれども、
歩み寄れる人の方が強いなっていう感じはすごいしましたね。

町山
60年代に実際「公民権運動」っていうので人種隔離法が撤廃されますけど
それの運動をやった人はマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師っていう人なんですね。
この人がやった戦略っていうのが徹底した無抵抗と非暴力なんですよ。

ただ訴え続けるんですよね。これは差別であると。
そうするとそれに対して警官隊であるとか白人であるとか暴力で
デモ潰しに来るわけですよ。

それをずっと見せてくことでだんだん白人の人たちが
「俺たちはひどい事をしてる」っていうことに気が付くという
戦略をとったんですけども。

それよりも遥かに前にジャッキーがやってたんですね、それを。
っていう物語だなって僕は思いました。そうは言ってないですけどね、映画の中ではね。
明らかにそのキング牧師の戦略を期せずしてやったことになるんですね。

ただ笑えるシーンもけっこうあるんですよ!
シャワーを浴びないでいつもじーっとしてるからそれを心配した
ラルフ・ブランカっていうピッチャーがですね、

「ジャッキー、もう気にするなよ。みんなもう嫌がってないから
 一緒に浴びようよ!」って言うんですね。
するとジャッキーはやっぱりずっと浴びないでいたから照れて
「いいよいいよ君、先入ってくれよ」って言うんですけど。

ブランカは「ねぇ一緒にシャワー浴びようよ!一緒にシャワー浴びようよ!」って
言うんですね、そうするとジャッキーは「いいよいいよ」って言ってるんですけど、
言ってるうちに2人がハッと気づくんですよ。


「この会話まるでハッテン場のナンパじゃん!」って(笑)
そこがめちゃくちゃおかしかったんですけど。

山里
そういうちょっとしたギャグも散りばめられながら。

町山
そういうギャグも入っててね、でも本当に全部実話を元にしてるんでね。
ただリッキーっていうハリソン・フォードがねひどい差別を言われてたときに
こう言うんですよ。

「君が死んで神様に会って、天国に行くか地獄に行くか決められるときに
 今と同じこと言える?」と。「黒人帰れ!」って言いましたって神様に言えるの、君?
って言うんですよ。これもすごいなと思いましたね。

だから差別的なこと言ってる人とかは自分は正しいと思ってるかもしれないけど
それ神様にそんなこと言って天国に選んでもらえる?っていうことは
ちょっと考えた方が良いなと思いますね。

赤江
この「42」という背番号をつけるっていうのはそれだけのね・・

町山
だからみんな「俺もジャッキー・ロビンソンなんだ!」ってことなんですよ。

(了)

自己紹介

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文字起こしをしたり、自分の見聞したことを書いたりしている会社員です。

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