今回は2015年8月21日放送
「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう」
を起こしたいと思います。
伊集院光(以下、伊集院)
本日のゲストはピーター・バラカンさん、よろしくお願いたします。
ピーター・バラカン(以下、バラカン)
よろしくお願いします。
伊集院
あのー、FM局の偉い人の・・なんていうんですか、役職?
バラカン
一応、執行役員っていう・・名ばかりですよね。
伊集院
でもそういう局の方針とか、この局はこうやって行きましょうみたいな意見を言えるところをもともと喋り手のバラカンさんがやるって聞いて「すげーなちょっと憧れちゃうな」と思って。
バラカン
僕もすごく期待してましたね。なんか本当に素晴らしいことができるんじゃないかな?と思って。まあリスナーはすごく喜んでくれたんですよ、僕が考えた編成ね。ただねそれが利益を生むのにはね、やっぱり時間がかかるもんでそこまで支えてもらえなかっていうところですよね。
伊集院
難しいですよね。局はこの不況の中、少しでも儲かるやつ。しかも明日儲かるやつってなるじゃないですか?で、喋り手は喋り手で・・そらね、僕らだって給料をもらうわけだから儲からなくていいとは思わないけど、この部分に関してはお金に換えちゃダメなんですっていうところがちょっとあるじゃないですか?
バラカン
そうなんですよ。それがなかなか・・まあ僕も甘かったっていう部分はきっとあったと思うんです。
伊集院
バラカンさんがそこ自由ならこういうラジオ局をやりたい、ラジオこうあるべきってありますか?具体的な。
バラカン
まあ僕の場合は音楽ですからね、だから喋り手のひとりひとりが自分が本当に良いと思っている曲を選んで自分の言葉で自由に紹介する。そういうラジオをやりたいんです。これはでも世界どこ行っても今はないんですよ、そういうラジオ。
伊集院
あっ、世界中にない。
バラカン
個別の番組で多少はありますけど、局全体がそういうポリシーでやっているところは70年代半ばぐらいでもう終わっちゃってるかもしれませんね。
伊集院
僕思うんですけど、ラジオっていま数字1%だったら「すごいな」とか2%なんか「夢のようだ」っていう要はクラスの1人いればいいんです。そいつの選曲が好きだっていうやつが。
テレビだともっとマスなものだから「20%欲しい、30%欲しい」ってなってくとそれは嫌いな人は1人もいないような曲だったりとか、なんとなく聞き流せる曲がいいじゃないって分かるんですけど。
ラジオはクセがあっていいじゃないですか。あの「俺だけかもしんないけどピーターが好きなんだよ」っていうやつがいたら、「あいつがかける曲だったら聴いてみようか」っていうの、まあ時間かかりますよ。
同級生とわかり合うのに1年、2年かかるんだから。でも僕思うんです。そことんがってないとラジオである意味があんまりない気がするんですよね。
バラカン
僕も本当にそう思いますよ。そもそもラジオ離れが徳にFMに関しては凄く進んでるからね。その離れてしまった人たちをどうやって取り返すか?これがまずね難しいですよね。
どんなに内容に良い番組をやっても、分かってる人は聴いてくれるけれども。分かってない人は聞いてもらえない。どうやってメッセージを届けるか?ってそういうこともやらなきゃいけないんだから広報活動も大変だし。
伊集院
僕、だけど・・むしろチャンスだと思ってるのは、いま世の中にいっぱい音楽が溢れててインターネットでもいっぱいアクセスできて自分が好きなジャンルで自分が知っているものにたどり着くの早いじゃないですか?
すごい早いけど、知らなかったものを聴くっていうことって、あんまりないんです。そうすると、だいたいの好みが俺と合っているピーター・バラカンのラジオで俺の知らない曲がかかったってことはとても楽しみなことで、
僕この「TSUTAYAに行ってこれ借りよう」っていうラジオ番組を映画好きな人にも聴いて欲しいけど、全然興味ない人にも聴いて欲しいんですね。
他人のチョイスの映画を見るっていう幸せが絶対あるはずだって僕思うんです。自分が知っているものの中からこれだけレンタルDVD屋さんがあれば、知っているものだけ刈り続けることもできるけど。
「俺その映画1回も聞いたことないけど、なんかあの番組は言ってる映画ちゃんと見てから聞いた方が面白いんだろ?」っていうだけで付き合ってもらったらまあ面白いってことはあるはずで。
ここからプレッシャーかけますけど、ピーター・バラカンさんの責任においてね(笑)あの人が薦めたっていうだけで観た映画が面白いってすごいことじゃないですか!
バラカン
これはもう何よりも嬉しいですね。
伊集院
その出会いはやっぱりラジオで。
バラカン
それはもうラジオの醍醐味なんですよね。
伊集院
だから俺らチャンスのはずですよね、そう考えたら。
(了)
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