今回は2015年11月28日放送「ジェーン・スー 相談は踊る」
20時台オープニング「代行MC中野信子さんからの相談」
を起こしたいと思います。
ジェーン・スー(以下、スー)
それでは8時台最初は中野さんからの相談です。
「脳科学的に見て『恋は4年で終わる』とか言ってる割に結婚して早5年、夫婦仲は良好。嘘をついているようで辛いです」
高度なノロケをしてきましたね、あなたオープニングから!
中野信子(以下、中野)
ハハハハハ!すみません(笑)でもけっこう仲が良くて困・・
スー
困ってねえだろ!
中野
困ってはいないけど(笑)なんか『恋は4年で終わる』って言うたびにツッコミの声が聴こえるようでね・・。
スー
ちなみにまずその『恋は4年で終わる』脳科学的な理由を教えて下さいよ。
中野
これね、まあ調査ですよね。ドーパミンが出なくなると言われますよね。要するに新しい刺激に対してドーパミンという物質が出るんだけども、これがやっぱり新しい刺激じゃなくなってくるので「ときめき感」がなくなるよねというね。
スー
まあね、ありますわな。それはもう実証されているんだ、人に個体差はあるだろうけど傾向としてあるんだ。
中野
まあそう早い人では9ヶ月で出なくなるっていう(笑)
スー
おお、相手に対して。
中野
まあ長くても4年ですねっていうピークのあり方のように私は記憶しているのだが・・
スー
ハズレ値なんじゃないの?完全にこれハズレ値なんで無視しましょうっていう、そういうパターンなんじゃ・・
中野
私がおかしいってわけかな?(笑)
スー
長くやっていく秘訣ってあるんですか?上手くやっていく。
中野
これですね、「シンキタンサクセイ」を満たしてやるとドーパミンが出ると。
スー
ちょっと待って!まず何言っているか分からない(笑)
中野
ごめんごめん。
スー
漢字をちょっと教えてくれ。
中野
「シンキタンサクセイ」っていうのは新しい奇妙なと書いて「新奇」、たんさくはまあ探す「探索」ね。「せい」は性質の「性」でそれで「新奇探索性」っていうんだけども。
これを人間はすごく持っていて、新しい刺激が好きなんだよね。新鮮な感動とか、なんかこういつも同じ場所を歩いていると気持ちが悪いからダルいとか飽きたとかそういうことを感じて「違う道を通ってみよう今日は」とか。
いきつけの店があるけど、なんか今日は違う店に行ってみたいよねってそういうのを「新奇探索性」って言うのね。それをやっぱり日常一緒に最も長くいるパートナー、このパートナーに対しても・・まあ男性はよくおっしゃると思うけども。
いつもカレーだから、たまにはハンバーグを食べるというつもりで浮気しちゃうとかそういう話を聞くでしょ?
スー
「うるさいわ!!」って感じですね。
中野
私だって味噌汁じゃなくてコンソメスープ飲みたいわ!とか思うじゃないですか?
スー
そうだよね。
中野
でまあ人間ちょっとわがままな性質があって、いつも一緒にいる人だとちょっと飽きちゃうねっていうのが『恋は4年で終わる』っていうふうに表現しているんだけれども。でもいつもずっと新鮮っていう人がたまにはいるんだなって(笑)
スー
えっ、じゃあ「形が変わっていって恋人同士から家族になったんで仲は良いですけど確かにドーパミンは出ていませんね」とかではないんだ!刺激的?
中野
うん、なんかやっぱり「ああ、可愛いな」と思う。
スー
ペットかっ!
中野
そうだね(笑)なんか素敵なところはあるんですよ、すごく。そういうところを長続きさせるっていうためにはいつもちょっとずつ新しい刺激っていうのがあるといいんじゃないかな?とは思いますね。「新奇探索性」を満たしている?
スー
どうすればそれが満たせるんですか?
中野
なんだろう?しゃべることが面白いっていうのも大きいし、自分と違う仕事をしている人とか。
スー
あっそうか、同じ仕事をしていると「よく分かる!」っていうのもあるけど同時に飽きるのも早いってことだ。
中野
だからなるべく自分と違う世界を持っている人がきっと良いんだろうなと思うし。
スー
旦那さんはぜんぜん違う仕事なんですか?
中野
全然違う、もう全く。あんまり仕事の話もしないようにしてる。
スー
どうやって知り合ったの?
中野
なんか「人工知能の話をしよう」とか言って集まった・・
スー
なんじゃその会!ちょっと待って!どこのセレブだったの!?「ちょっとさ、人工知能の話するんだけど、集まんない?」みたいなのあるの?(笑)
中野
あったの!あったの!そういう会が。で、人工知能の話をしようって言って集まったときに彼が美大で教えている人だったんだけども。美大で教えているのになぜか産総研っていう研究所が筑波にあって、産業総合研究所っていう研究所があって。
そこの研究員を短期でやっていて、私の友だちの同僚だったの。一緒にそのとき来て「なんかずいぶん変わった人だな」と思って話しかけたりとかして、なんとなく仲良くなって次の日にコスプレイベントがあったから一緒に行ったりとかして
スー
お嬢さん、コスプレお好きですよね?
中野
そうね(笑)まあカツラもそうね。
スー
先日どっかの国行ってませんでしたっけ?
中野
「JAPAN EXPO」ですね。
スー
フランス行ってましたよね、あなた。コスプレしに。
中野
そう、行ってた!行ってた!(笑)
スー
じゃあその旦那さんもコスプレの趣味があった?
中野
ありますね。
スー
あっそうなんだ、じゃあ共通点はあるにはある。
中野
あるにはある、趣味のところはある。
スー
何のコスプレしているんですか?
中野
えーとね、まあ彼はヴィジュアル系が好きなんですね。ヴィジュアル系のバンドが好き。わりとだから男だか女だか分かんないような格好するのが好きみたい。
スー
中性的な。中野先生は?
中野
私はゴシック系が好きなので、まあ「ローゼンメイデン」とか・・あういう感じかな?(笑)
スー
また聞いている人が「えっ!」ってなるような・・。
中野
もうこの歳で「ローゼンメイデン」とか本当に恥ずかしいんだけど、ごめんなさい(笑)
スー
もういいよ、一生治らないから!ね、いろいろ・・もともと恋愛体質だったんですか?
中野
まあその・・中学校のときはよく分からないので恋愛というものを知ろうと思って、この人が好きっていうのを最初に設定して好きになるみたいなことをして(笑)
スー
おいおいおいおいおい!何をやってるんだよ!
中野
宣言して好きになるみたいな。なんかそういう環状の学び方をちょっとしましたね。
スー
実際に好きになるより前に「この人が好き」って言ってから意識し始めると好きになるんだ!
中野
そう、なんかこうみんなの好きになり方っていうのを真似して「ああ、こういうふうにやるとみんながやっている恋愛というものに近いのか」みたいなそんな感じ。
スー
へえー、実際に初めて人と付き合ったのって何歳ぐらいですか?
中野
まあ大学入ってからですね。18ですね。
スー
実際付き合ってみてどうでした?
中野
うーん、なんかちょっと大変でしたね。感情のコントロールって上手くいかないんだなっていうことを思ったり?
スー
自分の?
中野
相手もよく分からないしね。まあそもそも人の感情を読むのはすごく下手くそだったので。
スー
ああ、それ言ってましたね。昔からそうだったって。
中野
うん、だからなんか難しかったなあ。難しいことだと思いましたね。
スー
なんかそのよく中野さんいろいろなところでお話もう既にしていることですけど、子どもの頃とかけっこう孤独だったっていう?
中野
孤独だった!誰も何だろう?しゃべっても、日本語をしゃべっているんだけど日本語として向こうが受け入れないみたいな(笑)
スー
なんか人の気持ちを理解したりするのがやっぱり苦手だったっていうのにね、小学校くらいのときに気がついたって。
中野
そうそう、まあなんか軽く発達障害だったんじゃないかな?っていう感じもあって。で、勉強は全く苦もなく出来て。
スー
だってあれでしょ?小学生のときの名言「なんで1回授業でやったのに、みんな勉強するの?」って言ったって。
中野
中学校だけどね(笑)
スー
中学校でそれ言ったんだ!そりゃみんなピキッとするわな。
中野
なんかちょっとシーンとかなってさ(笑)
スー
でも自分はだって勉強しないで全部あれでしょ?100点取れたんでしょ?
中野
うーん、そうなんだよね。だって教科書に書いてあって先生が授業までしてくれて。
まあゲームで言ったらね、攻略本をもう渡されててしかもレクチャーまでしてくれるんだよ!そのゲームの。そしたらそのゲーム、クリアできるだろ!って思わない?
スー
なるほどね!そういう考え方したことなかったわ。
中野
でも同じことだよ、これはだって。
スー
受験生聞いているか!あとさ、あの話すごい憶えている。ノートのとり方。
中野
あっそうそうそう!ノートのとり方もね、板書を写すのは勉強じゃないんだよ!そんなの筋トレだよ!
スー
ごめん!ずーっとやってた、私それ!綺麗に写すねって。
中野
だって写メでいいよ、そんなのもう!
スー
正しい!どうやって書けば良いんですか?
中野
どうやって書けば良いかと言うと、先生が言ったポイントを書くんだよ!で、自分が疑問に思ったこと。その話の流れを聞いて、例えばいまラジオを皆さんを聞いているね。
聞いていて「あっ、ここは面白いじゃない!」って思ったことをメモするでしょ?そのメモしたことをあとから見直すと「あっこういうことも実は裏付けとしてあるかな?」って自分で調べたりするじゃん?
自分で調べたことを例えばノートの右側とかに書くように余白をとっておくの。左側には聞いて面白いと思ったことを書いておく。それで十分なの。で、大事なのはこの右側の余白の部分なの。
スー
どう使うかってこと?
中野
そう、自分で埋めていく部分。ここがその人の教養の厚みじゃん!
スー
ああ、良いこと言うね!カレンダー作ろうか、来年の!
中野
いいね、いいね!
スー
間に合わないね、11月だぞ。計画性がない。でもさ、そうやって自分では当然だと思っているけど周りからギョッとするような経験をしてないから。
中野
そう、だって宿題だってさやらなくていいと思うんだよね。
スー
あれヤバいでしょ?「できる強化の宿題やらない」伝説。あれヤバいでしょ!話してやって、話してやって!
中野
いやだってもう漢字ドリルとか書ける漢字を書きたくないじゃん!
スー
言われたくないよ、小学生に!
中野
いやだってもういいでしょ?それより書けない漢字を練習したいよ!
スー
それは理に適いすぎているよ(笑)
中野
そういうことでも先生は「やれ」って言うんだよね。もうできる分数の計算とかしたくないよ。
スー
まあちょっと精神論的なことでね、みんなと一緒にやれって言うんだよね。
中野
そういうのは勉強じゃないじゃん、なんか。ちょっとなんかおかしいでしょ?それは。
スー
うん、それでやっていかなかったんでしょ宿題?
中野
やってかない。やるわけないよ!そんな無駄なこと!
スー
アハハハハハ!ウケる!!(笑)
中野
そう、でも先生には嫌われたよね。
スー
そうだよね、でも理に適っているけど許されないみたいなことを子どものころに経験して、旦那と結婚しようっていうところまで行ったんですよ!すごくね!?
中野
すごいね私、結婚すると思ってなかった!!
スー
あっ、思ってなかった?
中野
本当に結婚すると思っていなくて、だからもう旦那さんが偉いんだね。
スー
他者との接点も持ち方がさ、言っちゃ悪いけど最初「絶望」だったわけじゃん?
中野
「絶望」だった(笑)もうあんまり期待できないんだなっていうのがもう30代になってくるとだんだん「ああもう私はこういう人間なんだ」って分かってくる。
でも彼は不思議な人でしたね。私が言ったことを理解してないようでいて、でも受容するっていうね。
スー
深い理解よりも受容っていうことが長く続かせる?
中野
ああ!それだね!なんか理解を求めると絶対衝突をするので「君はそういう人間なんだね」って言ってくれることが私は嬉しかったのかもしれない。
スー
なんか泣かせる話やなー!これってミラーニューロンでお互い泣いていくっていうね、中年の女にありがちなもらい泣きをどんどんしていくっていう(笑)
中野
バーで2人で泣いて(笑)
スー
そっか、夫婦仲が良好なのは良いことじゃないですか!
中野
そうですね、良いことだと思う。
スー
4年で終わらない人もいるよと。世の中にハズレ値があるってことの証明が中野信子であると(笑)
中野
これからは「4年で終わることが一般的です」って言うようにします(笑)
(了)