今回は2017年9月12日放送「大竹まことゴールデンラジオ!」
オープニングの一部を起こしたいと思います。
はるな愛(以下、はるな)
こんなテレビのお仕事ないときは本当にウロウロして「何が職がないかな・・」と思って、自転車乗っていろいろ行きましたね。そのおかげでたまたま不動産屋に月6万8千円で借りれる小さな居抜きのバーがありますって言って1軒目を持ったので。
大竹まこと(以下、大竹)
そんなに安く借りられたの?
はるな
そうです、「敷金・礼金を入れても自分の今あるお金でできるや」と思ってそれで行ったらもうほとんどそのままで出来るからあとは100円ショップでグラス買ったりとかして。
大竹
グラス100均のだったの?
はるな
もう全部(笑)ちょっと柿の種入れるお皿も100円ショップで買ってやって。本当にあのときは毎日の売上もそんなになかったから、家に千円札と1万円札を並べて「ああ、今日は3万いくらだったな」とか、あるときはあるけどないときはゼロ円とかお客さんも来ないときもあったので。
「どうしたらこの扉を開けてくれるんだろう?」と・・三軒茶屋は扉が多いから、お店のね。
大竹
うちの扉を誰が開けるのか?
はるな
そうなんですよ、ほんでたまに私ね・・変なプライドがあって大阪ですごいニューハーフパブで可愛くて人気があったときがあったんですよ!細くて昔。もうすごい並んで下さって、1日3回のショータイムが1日6回になるぐらいママがもう入れ替えて入れ替えて・・
大竹
いくつのとき、それ?
はるな
19歳とか20歳とか。それで私のポスターを千円で売って「愛は出口に立っといたらお客さんがどんどん帰るから、ショータイムが終わったら出口に立ってて」って言ってそれでどんどん送ってっていう時代があったので。なんかその1人でボロボロのバーをやっているのが恥ずかしくて、それで鍵を閉めてお客さんが来ないからカウンターの上で寝とくんですよ、横になって。
大竹
なんでカウンターの上で寝るの?別にソファとか行かないの?
はるな
いやなんかもうやることがなくて、ソファとかはないから。カウンターと7人の椅子だけ。
大竹
寝るにはカウンターの上で寝るのが1番いいんだそりゃ。ちょっと固い?
はるな
固いです、もうそこに横になって。そしたら摺りガラスなんですけどお客さんがガガガッて開けるんですよ。「あれっ、電気がついているのにやってないな」って外で言っているんですけど「うわっ、どうしよう!」って私も開け損ねたから・・
大竹
出づらい?
はるな
そう、ここで誰もいないところで鍵を閉めて何してるんやろう?と思われても嫌やなどうしよう?と思って考えているうちにちょっと動いたりしたら「あれっ、なんか動いてるよ」って摺りガラス越しから。
「いやーどうしよう!」とかって思っている間にお客さんがいなくなって「うわー、今日の生活費逃したー」みたいな。それで鍵を開けてやっぱりちゃんと立っとかなあかんなと言ったら戻ってきてくれて。
大竹
その6万8千円の家賃の店を自分で始めたのはいくつくらいのときだったの?
はるな
もう18年前ですね、ということは・・27歳?
大竹
お店始めて自分の店を持って6万8千円の家賃で、すごいじゃない!それが今じゃ。
はるな
そこでいろんな方がどんどん来て、それこそ音楽関係の方が多いんですよ。お客さんの中で鈴木雅之さんとかつんく♂さんとかいろんな方がどんどん。
大竹
鈴木雅之はサングラスかけてたら店暗いだろ?
はるな
暗いんですけど、私ショータイムをしていたんですよ。そのカウンターの中にクリップライトってあるじゃないですか?
大竹
そんなところでショータイムをしてたの?
はるな
はい、私はやっぱりお客さんが来るにはどうしたら開けてくれるか?って考えたときにこれは1人でニューハーフパブをしたらいいんだ!と思って、あのときのように。
大竹
1人ニューハーフパブ。
はるな
それでクリップライトって千円ぐらいで売っているライトをいっぱい付けて、1個のボタンで全部コンセント切れるような長いの売ってるじゃないですか?あの差し込みに全部差してポンッてボタンを押したら全部もうステージになるように。
大竹
カウンターの中が?
はるな
はい、その中で踊ったり歌ったり。
大竹
エアなんとかって・・
はるな
そのときはまだエアはできてなかったので、自分で地声で歌ったりしていたんですよ。それである日、お客さんがいっぱい来てくれて「もう嬉しいな」ってなったときにもうどんどん営業時間も長くなって朝起きたら全く声が出ないんですよ。本当にかすり声も出ないんですよ!
「うわーどうしよう!また生活費がなくなる!」と思って、でもお店行かなあかんから行ったらお客様が来て下さって筆談で「何、飲みますか?声出ないんです、ごめんなさい」って。それでもうしゃべれないから「どうしよう!またお客さんが減るわあ、どうしようどうしよう!」と思ったら、いっつも流していた大好きなアイドルの松浦亜弥ちゃんのコンサートの全部を覚えていたんですよ。MCもあれもコンサート2時間ぐらいの。
それをちょっと覚えているから口パクパクしてみよう!と思って、パクパクパクってエアのMCを。そしたらお客さんが笑ってくれて「あっ、これなんかイケる!」と思って、それでいろいろやったら「これ面白い!」ってなって。
大竹
そんな誕生秘話があったの?
はるな
だから「もうどうしよう!どうしよう!」ってもがいた方がなんかグワッと咄嗟に出来るんやなあと思って。
太田
まさにケガの功名ですよね。
大竹
それからあのブームになっていくわけ?
はるな
だからあのお店があってからですよね。そのあとに小っちゃなお店なので愚痴を言うお客さんとかいるんですよ。でもこっちには楽しく飲みたいお客さんもいて。
小っちゃいお店だから一気にその会社の愚痴の人の空気になっちゃうから「うわっ、どうしようこの人」ってでも注意出来ないしね。どうしようと思ったときに「愚痴るよねー、言うよねー」って言ってたら
なんかその言葉も面白く笑ってくれて、こっちの楽しく飲もうっていうお客さんが。だからお店があって自分が今あるんやなっていう・・。
大竹
すごいね、間違って考えつかなかったら釣りばっかりやってたんだもんね、泥みたいなところでな。玄関開けて入るような釣り場。
はるな
本当、あの不動産屋さんの紙を観なかったら今がないなと思ってね。いろいろある、だから出会いって大切ですね。
(了)
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