podcast後半を起こしたいと思います。
こちらからの続きになります
角田龍平(以下、角田)
柳田さんすごい・・
オール巨人(以下、巨人)
ものすごいな!いや、びっくりするわ!
柳田光司(以下、柳田)
いやいやいやいや!
巨人
なんか本を出したりしてるの?
柳田
本も何回か・・そうです、そうです。あの、いいですか?どうせやから行っちゃおうかなと思うんですけど・・エムカクさんからも来てんねんね?
(エムカクさんを知りたい人は下のリンクをご参照に)
明石家さんま研究家・エムカクさんの「なんでそれを聞くねん!」
角田エムカクさんっていうもう1人、柳田さんのライバルとされている演芸マニアが・・
柳田
この方は(明石家)さんまさん専門の方ですわ。
角田
さんまさんのことをほんまに四六時中考えている人で、さんまさんの発言を全部まとめてラジオを書き起こしてっていうことをずーっとされている方で。
その方も私の友達なんですけど、エムカクさんからいただいています。
エムカク(代読・角田)
巨人さん、はじめまして。僕は明石家さんまさんのことが大好きでさんまさんの歴史を綴った「明石家さんまヒストリー」という読みものを水道橋博士の「メルマ旬報」というメールマガジンで連載させていただいているエムカクと申します。
本日は角田さんのご厚意で巨人さんに質問させていただく機会をいただきましたことをたいへんありがたく思っています。
巨人
ご丁寧にありがとうございます。
エムカク(代読・角田)
早速ですが質問させていただきます。ご記憶にないこともあるかと思いますがお答えいただきますと幸いです。
柳田
長いな(笑)
巨人
はい、分かりました。覚えてたらね(笑)
エムカク(代読・角田)
ちょっと割愛してお聞きしますと先ほどもちょっと出たと思うんですが、さんまさんが東京へ駆け落ちしてエムカクさんの情報によりますと1974年(昭和49年)の9月ごろから昭和50年の3月ごろまで東京へ駆け落ちしていた時期があるそうですが、
その前後の同期の方、まあ巨人師匠や紳助師匠とかどういう思いでさんまさんのことをその当時は思っていらっしゃったのか?ということをお聞きしたいと。
巨人
「なんでいてへんのかな?」と思いながら、別に女の子と駆け落ちしたというのはあんまり僕らの耳には入って来てなかったんですよ。
なんか好きな女がおって追いかけていったって、駆け落ちというより追いかけていったと聞いたけどね。2人で行ったやなしに東京へ行ってしまって追いかけていったと。そう聞きましたけどね。
柳田
巨人師匠けったいなこと聞きますけど、ずっとけったいなことばっかり聞いてるんですけど(笑)
時期がさっき巨人師匠にお渡ししたファイルで、10月のなんば花月の上席がちょうど岡八郎師匠と(島田)洋之介・(今)喜多代師匠とWヤングさんと(笑福亭)松之助師匠が出てるんですよ。
よく紳助さんとか(パンチ)みつおさんがこのときに、これは言われてたからそのまま伝えますけども。実は松之助師匠が弟子っ子を集めて「実は杉本が出て行ったけれども、絶対戻ってくるから戻ってきたときには普通にしてやってくれ」と言われたと松之助師匠が。
そのときにもし巨人師匠がおられたら、ここ違うかな?と思って僕はポスターを持ってきたんですよ。このときに新喜劇に岡八郎さんと奥さんの青木(みき)さんがおられるんですよ。
巨人
あっ、僕の嫁はんね。
柳田
ちょうどこのころかな?と思ってね。東京でさんまさんが長嶋茂雄の引退試合を見てたっていうのはよく言われるんですよ。1人ボーッとパチンコで勝った小っちゃいテレビで。
だから10月は間違いないんですけれども、10月のこのあたりと違うかなと思っててね。
巨人
でもね、松之助師匠が弟子集めて「帰ってきたら頼むわな」っていうのは僕はちょっと記憶にないですね。あったんか分からへんけどね。
柳田
あっそうですか?紳助さんはよく言われるんですけどね。
巨人
ほんならあったんかも分からへんね。うちの師匠も忙しいもんでね、あっちこっち行ってはりましたからついて行かなあかんし。それは僕は参加してなかったと思います。
柳田
ちょうど「Wヤング」のパンチみつおさんも同じことを言われるんですよ。
巨人
ほんだら間違いないわ!
柳田
だからこれ違うかな?と思ってね。このなんば花月じゃないかな?っていうのがあってね。
巨人
それひょっとしたら嫁はんのところ行ってたかも分からへんな・・そんなことはない!(笑)
12月29日はオール巨人にとって鬼門の日?
角田このときは奥さまとお付き合いはされていた?
巨人
えーと、いや12月29日ぐらいかな?その年の。そのときに「結婚を前提として付き合ってくれ」って言うたんですけどね。
角田
そんな明確に日付まで覚えていらっしゃるんですか?
巨人
そのあたりやったんですよ。
柳田
そのころですか?岡八郎師匠と「家族対抗歌合戦」に出られたのは?
巨人
そうですね、そのあとぐらいかな?
柳田
そうですよね?
巨人
岡八郎さんのいとこや言うて。顔が似ているからいうて出ましたね。
柳田
出られて、そのあとに車でちょっと事故起こされるんですよね。
巨人
そうです、そうです。
柳田
あれから師匠との絆が深まるという、確かそんな・・?
巨人
そうですね、普通やったら完全にクビですけどね。師匠の車に乗っててぶつけて廃車になったぐらいやからね。普通やったらもう完全にクビですよ、有無を言わさず。「やかましいわ、クビ!」って。よく話を聞いてくれはって。
柳田
それがすごいなと思ってね。
巨人
12月29日っていろんなことがあるんですよ、僕。嫁はんと同棲しているときに嫁はんがひったくりに遭うて金盗られて「どうして年超そう・・」とかいう2人で小っちゃいアパートで。
そのときそのニュースに載ったんですよ、小っちゃくね。「青木みきが盗られた」とかね。
それで前田五郎さんがみんなにカンパしてガーッて金を集めてくれはって「これでなんとかせえ」ってお金をくれはったんですよ。まあ20%ぐらい取ってはったかもしれへんけどね(笑)
柳田
いや、そんなことはないでしょ!あってもオモロいですけど。
巨人
いや五郎師匠も優しい方でしたから。それが29日でなんかあったら29日にケガしたり12月29日っていうのは案外僕の鬼門なんですよ。でもそれを言うたのは29日ですわ。「結婚を前提として・・」っていうのを。
柳田
その29日で思い出しましたけど、その次の年にエムカクさんから質問も来てましたけど
「スタジオ2時」(毎日放送)で巨人・阪神さんが年末の年忘れの漫才大会ありましたよね?それで優勝されたんですよ。それを僕は見てたんですけど。そのときの2位が「さんま・小禄」やったんですよ。(明石家さんまの兄弟子の五所の家小禄とのコンビ)
巨人
うわーっ!「さんま・小禄」ね、不思議な漫才でしたけどね。まあ噺家同士やけどね。
柳田
モノマネばっかりやり倒すみたいな。
巨人
それも12月29日ちゃう?
柳田
それも12月29日です。
角田
昭和51年の12月29日で、同じ質問がエムカクさんからも来てます。なんやねん、この2人は!
巨人
ごめん、3人しか知らんこと違うの?僕ら、エムカクさんと柳田さんと僕しか知らん(笑)
角田
僕は1976年の12月16日に生まれたので、まだ生まれて2週間ぐらいのときのお話ですよね。
柳田
この「スタジオ2時」の大会もいわゆる大阪では新人にとっては大きな大会やったんですよね?
巨人
はい、大きかったですよ。
柳田
10万円もらえるんですけどね。その次の年に紳助・竜介さんが出てくるんですよ、それで優勝するんですよ。でもなんか巨人・阪神さんの方が先に行ったなって感じは僕はしてましたね、子供ながらに。
紳助・竜介、NHKのコンテストで花束受け取らずの真相
角田紳助師匠がNHKのコンテストで優勝できなくて、なんかトロフィーもらってそのトロフィーを捨てて帰ったみたいな話を・・
巨人
いや花束放ったというか、受け取らなかったね。2位やったんかね?
柳田
3位ですね。
巨人
ほんで僕らはもちろん観に行ってたのかな?「そんなんしたら、あかんやん」言うてんけどん「あかん、あかん!優勝違うかったらあかんねん」言うてたわ、鼻鳴らしてはったわ!ずっと、ちくのう症やったから。
柳田
今から考えたらやっぱり巨人・阪神の壁がでか過ぎたんやと思うんですよ。さんまさんが女性を追ったり、紳助さんがずっとこもって京都でなかなかデビューをしなかったのも。
角田
サパークラブで働いてらっしゃったって?
巨人
さんまさんの追いかけたのは全然関係ない。それは関係ない、もうただ女が好きで行ったりとか全然関係ないです。漫才やってから紳助は「漫才では巨人・阪神には勝てへんな」とか「真面目な漫才じゃ無理やなあ」言うて。
それで自分が1人になりたいからやけども、僕らがいてるしダウンタウンが出てきたから「俺の漫才の仕事は終わった」と。だから解散じゃなしに仕事が終わったんやと言うてやめましたからね。それで1人になったけどね。
柳田
なるほどなあ・・。
角田
いやー、柳田さんもよくご存じですね。やっぱりねえ。
柳田
もう時間が止まったらええのになと思ってますし。
巨人
ものすごい詳しいな、ビックリしますわ!
柳田
あと目が合ってないんですよ。急に老眼が入って、さっきから。
角田
おとといくらいから一睡も寝れないっていうLINEが来てたんですよ。柳田さんがもう巨人師匠に質問することを想像してて。
柳田
寝れないんですよ、熱うなってきて。
巨人
もうごめんな!病気にさせて。俺、人を病気にさすんと違うの?(笑)
柳田
いやもうずっといろいろ調べたいし、巨人師匠ところの資料部屋に入って全部整理したいぐらいやで。
角田
巨人師匠もすごい昔に出演された番組のビデオとか残してらっしゃいますもんね?
巨人
ビデオはもうほとんどある。最初になんかの番組で優勝した時にもらった賞金でビデオを買うたから。もうでっかいでっかいVHS・・あっ違う、ベータマックスか!あれガチャン!いうやつ、もう20kgぐらいあるやつな。
角田
当時は全然そういうのが一般的に家庭にない時代ですからね。
巨人
全然なかったです。
目標はあるけれど、影響を受けた漫才師はいない
柳田巨人師匠ってそういう影響下ってあるんですか、漫才の?
角田
誰の影響を受けたか?ってことですかね。
柳田
あんまり分からないというか、ものすごい初めから巨人・阪神になってるんで。そういうビデオとか観られて研究されてるんですか?自分のを観られているんですか?
巨人
自分のを観ます。あの・・そうやな、そう言うたら別に大好きな漫才師っていなかったんですよ。
好きな漫才師はいとこい先生(夢路いとし・喜味こいし)とかね、あういう上品な漫才ができたらええなとは思ってましたけども。
そうですね、別に目標とかはなかったですね。ただデビューしてよく(海原)かける・めぐるさんに似ていると言われたから、「まあ、ここ(かける・めぐる)をまず抜いてとか」
「ザ・ぼんちさんを抜いて」とかそういうような目標は決めてましたけど好きな漫才師はいなかったですね。
柳田
もう入ってきたときからすごかったんですけれども、僕小っちゃいながらも巨人・阪神のすごさって音程の合わせ方がすごいなと思っていて。
僕ね、子どもがいるんですけれど。40年ぐらい前の巨人・阪神さんの例えば結婚式のネタがあるんですよ。
♪パパパパーン、パパパパーン、パパパパーン、パパパパーン(↓)って下げるっていうね、これを音だけで聞かせても当時2歳ぐらいの子どもが笑ってたんよ。
角田
そういう英才教育を施している!(笑)
柳田
そうそう施している。結局は、巨人・阪神さんって普通に文字に書いたら何にも面白くないやん!
巨人
まあ、そうですよね。
巨人・阪神の持ち味は2人の掛け合いのテンポ
柳田それを音で、耳で聞いて阪神さんもやって巨人さんもやってっていう耳のすごさがすごいな!と思って。
あとね、これはものすごい今も言いたいんですけど。巨人さんが「僕たちはもうスピードがなくなってきたから、漫才はやめようか」みたいなことをこの間も八方師匠の番組で言うてはったけど。
今も聞いててそれがなんとも思わないのは、漫才ブームのときに(ビート)たけしさんとか紳助さんが「早い、早い」って言われてたけど。
僕は今でも思うんですよ、巨人・阪神さんのすごさって掛け合いのパスが早いのよ。だからたけしさんが1人でしゃべっててめちゃ早いのは分かるねんけど。
巨人・阪神さんってやりとりの・・サッカーで言うたらパスの出し合いのスピードがこんな人はいないのよ。これは今もいないし、おそらく向こう何年もいないと思う。
角田
ウーマンラッシュアワーの2人とかでも村本さんが1人でうわーっと。
柳田
あの早さやったらいてんねんけど、巨人・阪神のパスの出し合いのすごいサッカーを見せられたみたいな技術はないんで。
角田
そういう細かいパスを重ねてゴールするっていう。
柳田
そうそう、それは巨人さんも阪神さんもめちゃくちゃ上手いんでね。
巨人
まあしゃべりは本当に僕は特に早いんですよね。なんか原稿用紙で書き直した人がいてて、うちの漫才の1番早いときとそれと黒柳徹子さんのしゃべりの早いのんと原稿に書き上げたら僕のところの方がやっぱり文字数が多いねんて。
で、漫才の中で中堅で言えばウーマンラッシュアワーの村本でも、それから東京のトータルテンボスの大村くんの方とか、NONSTYLEの石田くんとか「なんでそんなにハッキリしゃべれて早いこといけるんですか?」と。
まあ今、柳田くんが言うたようにその合間が僕のところは短いんかも分からへんね。よく一番良い漫才師ってラジオで録ったときにハサミが入らないってカットできないという。
「ここを切ったらどっちかの言葉に引っかかるな」っていうのがそれを一番ええ漫才として昔から言われてますけどね。
師匠・岡八郎の漫才にそっくり
柳田いわゆる師匠の岡八郎さんが漫才を組まれていたときの漫才がそういう漫才ですよね?
巨人
早いです。
柳田
早くて食い気味の漫才なんよ。だから出で立ちとか岡八郎が漫才やられてときとか巨人師匠とほとんどそっくりなんよ、シルエットが。
巨人
もう弟子のときからよく言われましたけどね。「もうそっくりや!」「どんどん似てきたね」とか。
柳田
あの食い気味にガッと入るところとか、すっごい似てるんですよ。
巨人
ずーっと似てたんですよ。盲腸やった時期も42歳でやったんやけど、そんなんも一緒やったんやけどね。でもうちの師匠はアルコール依存症になって脳挫傷になってそこだけは絶対に似んとこうと思ってね。
めちゃめちゃ飲んではったから、その飲むのも僕はある程度飲んでも3日休むとか。そういうふうにそういう身体の部分だけどは岡八郎に似んとこうと思ってね。それはもう反面教師みたいで。
巨人・阪神の声は今でも高い、その声質に合ったネタをしている
柳田今も昔も巨人・阪神の声って高いのよ。高いから面白いのよ、声が。同じようなことを言ってても。
角田
私も40歳を過ぎてきたら漫才とか観てて、やっぱり音程とか心地よい音とかそういうのが変わってきた気がして。
柳田
メロディーが綺麗ですよね。
柳田
若いころはなんかシュールな感じが好きやったような気がするんですけど・・。
巨人
でも1つ言えると思うよ。僕のところの漫才は割とポンポンと早いし、それでネタも軽いネタをしゃべっていくわけやんか?
例えば(大木)こだま・ひびきちゃんのこだまさんなんか、あういうネタの中でそういう声が合うてくるんですよ。
のりよし(西川のりお・上方よしお)さんがよう自分勝手にのりおさんがしゃべってはりますやんか?あれはのりおさんがガラガラ声であれでいいんですよ。
あれを軽い僕らの声でやったら、あかんと思うねん。だから漫才の色にも声が・・僕のところに声に合うたネタをやっているので。
柳田
あっ、そういうことかあ・・。
巨人
だと思いますよ。
柳田
声質ありきでネタをやってはんねや!・・分かります、かもしれないですね。
巨人
そうか分かりません、こういう声やからこういうネタを作ってしまうっていうのもあるか分からん。
声質が悪くても露出が増えれば聞き慣れる
柳田紳助さんも生で聞いたらすごい通りづらい声なんよ。でもそれを早くしゃべったり遅くしゃべったりすることでピッチを調整しはるというかね。
さんまさんも(笑福亭)鶴瓶さんも声質は決して良くないからね。それを遅くしゃべることによって聞きやすくしたりね。
巨人
それとね、露出の問題ですよね。さんまさんも鶴瓶さんも紳助さんも、ものすごい出てたでしょ?紳助なんかも最初「何言うてるか分からへん」って先輩らに言われてました。
それからどんどんどんどん紳助がしゃべってることをテレビ・ラジオで聞くやんか?ほんだらね、分かってくるんですよね。
角田
耳が慣れてくるんですかね?
巨人
例えば家におばあちゃんがいてるとするやんか?おばあちゃんがハッキリしゃべらへんねんけど自分とこの家族は分かるやん?近所の方に「あんたとこのおばあちゃん何をしゃべっているか分からへんな」となるでしょ?
違うねん、家族には分かるようにたくさんたくさん言葉を聞いてくると分かってくるんですよ。だからウーマンラッシュアワーの村本なんかでもそう、最初全く分からへんけど最近聞こえるからね。
角田
聞き取れますよね。
巨人
というのはね、彼のしゃべりはあんまり変わってないと思うんですがこっちが慣れてきてるんですよ。
柳田
スピードラーニングみたいな(笑)
巨人
そうそう、聞き慣れる?それがあると思う。
角田
ウーマンラッシュアワーの2人が年末に「THE MANZAI」で時事ネタをされたのをご覧になりました?
巨人
ああ、知らない。
角田
アメリカの基地問題の話とかっていうのを・・
巨人
それは村本が勝手にしゃべるやつ?そしたら今、劇場でやってるやつかな?
角田
劇場でもあのネタやってるんですか?
巨人
村本1人がバーッとしゃべって・・それはもう劇場でやってる。この間西梅田花月で一緒やったんですよ。僕らの前がウーマンラッシュアワーでグワーッやってんねんね。まあままウケてるんよ。
アカンねん、出て行くやろ?それに釣られるねん。また僕らも早くなってまう。
角田
そういうもんですか?
巨人
めっちゃ早くなってまう。でもお客さんは村本の早さを聞いてるから僕らの早さには十分ついてきはるねん。だからやりやすいねん。
一番困るのがゆっくりやられる漫才のあと漫才するのが・・パンッと早いこと行ってしまうとお客さんが「うわっ、早い!」と引きはるねんね。
だから自分らの出る前の漫才のテンポとかいうのを考えて、しゃべり方を最初出るときしゃべらなあかんねん。いろいろありますね。
柳田
もう「プレイボーイ」で書くこといっぱいありますね(笑)
巨人
いや、もうないん違う?
柳田
まだまだ!いま一番面白いコラムやから。
巨人
いやそうかな?安いギャラでやってますけどね(笑)
M-1などでの審査の基準は上手さや練習量でない
角田でもあういうM-1の審査員とかされてて、僕らテレビで観てるのと現場で観られているのと全然違うと思うんですけれども。
巨人
全然違います!
角田
どこを一番重視されて、点数を付けるときっていうのは、巨人師匠の中での配点の?
巨人
まあ今M-1で残ってる子は全部上手いわ。もう上手さをどうのこうのじゃない。上手さは同率と思って、そうすると何がおもろいのか?と。
さっき言うたように銀シャリなんかでも僕らに考えられないようなネタをやってくれる。そういう驚き、サプライズのネタ。そういうのを見ますね。
笑いの多さももちろん、あんまりおもろかってもテンポが・・100点のネタが3分に1回だけやったらあかんね。それやったら90点のネタを3分に5回の方がいいわけですし、そういうところを見ますね。
お客さんのウケ方もあんまりこれは重視しないんですけど、僕は。そういうのを見ますね、昔は練習量とかも見てんけども・・今はもう全員が練習やってるから。練習量が全部見えてまうからね。
そんなんをもう点数に入れている場合と違うなと。最初の方のM-1は違うかったけどね。「どんなに練習をやってんねん?」と。キングコングなんかもうやり過ぎと違うか?いうくらい早かったからね。
やり過ぎてもアカンねん、あれねえ。野球でもそうやと思うよ、間違った練習やってもなんぼやっても上手くならへんやんか?バッティングとかなんでも。
角田
逆に慣れすぎてしまうっていうことなんですか?
巨人
そうです、お客さんを置いていってしまうというときもある。
柳田
すごいなあ・・。
巨人
そうか?(笑)
柳田
やっぱりすごいのよ。ずっと思い返してみたら、阪神師匠でも20歳ぐらいで・・まあそれは2年も3年もやってはるからやねんけど、いわゆる笑い待ちとかやってはったもんね。
角田
笑い待ちをする10代!
柳田
それでそれを見ていた僕もいてたけど。
巨人が阪神以外の相方を選ぶなら・・
巨人それは昔、僕らは笑い待ちできない・・今でも割と詰めて笑い待ちをせんと行ってしまうタイプなんですけども。(海原)お浜・小浜師匠の小浜師匠、肥えた方でね。
角田
(海原)やすよ・ともこさんがお孫さんの?
巨人
あの方に「巨人・阪神さんちょっと早いよ」って「面白いねんけども、笑い待ちしなあかんよ!」って言われたんですよ。そこからちょっと「あっ、そうかな?」と思って考えたことはあります。
小浜師匠はお浜師匠と別れはったときに、もういっぺん漫才するんやったら誰がいい?って聞かれて「巨人さんやったらやる」って言うてくれはって。もうこんな光栄は話はないですよね!
角田
今、巨人師匠がもし阪神師匠以外のどなたかとコンビを組みたいと言ったら・・
巨人
いや、俺は漫談する!1人で!もう誰も組みたくないですね。
柳田
いや寂しいな、それは。
巨人
いやもう阪神くんは素晴らしいですから。
柳田
売れ続けているコンビやからね、もう漫才師で言うたら前人未踏やから。1人やったら鶴瓶さんね、もう全然ずーっと売れている人。
角田
だからもう僕もほんまに子どものときから、もう物心ついたときからずーっと出られてて。まさか自分が高校生になったときに弟子につくとは思ってなくて。
あれから24年ぐらい経ってラジオでご一緒させていただいてというのはもう今日のこの同録は家宝にさせていただきますんで。
これナイターオフでやってますけれども、今日終わっても本望といいますか・・
巨人
また2,30年したら柳田くん「こんなんありますねん」って(笑)
柳田
いやいや、また寄せて下さいよ。全然2ページしか進んでないですよ!
巨人
ああ、ごめんごめん!
角田
柳田さんがオール巨人さんの年表を作ってこられたんですけど、まだ昭和54年までなので。
柳田
しかも今日、昭和49年しか行ってへんやん!
角田
あと40年分の話をお伺いしないといけないんで。
巨人
いっぺん今度KBSの特番で7時間ぐらいずーっとやって。
KBS京都での生放送でのケンカ
角田KBS京都で2人ですごいケンカをされたこともあったって?
巨人
ありました、本番中生放送でケンカして「もうしゃべらへんど」「しゃべるな!」言うてしゃべらへんかってん、ずーっと。
柳田
僕ずっとそのテープを聴いててん。聞きすぎてテープ切れて兄貴にボッコボコにど突かれた。ちょうど(太平)サブロー・シローさんがゲストに出てきて、ちょっと阪神さんも同級生やからテンションおかしかってん。ちょっと格好つける感じやってん。
角田
シローさんと阪神さんが同級生なんですよね。
柳田
そしたら巨人師匠がなんと怒らはってん「ちょっと格好つけ過ぎ違うか?」言うて。そしたら阪神さんがウワーってキレて黙って・・あれはすごかった。
巨人
ケンカの原因まで覚えてるの?俺はハッキリ覚えてない!(笑)興奮してるからね、そのとき。
角田
柳田少年も四十何年後にこうやって、巨人師匠ご本人に疑問を聞けたっていうのは?
巨人
こんなほんまに素晴らしい方、研究やられる方がいてはるっていうのはこっちがありがたいです。
柳田
いやいや、まだまだあるんで。
角田
40年分あるので、また。
巨人
はい、呼んでください。
角田
今日は本当に90分ありがとうございました!
(了)
ポッドキャストにはこのあと放送後の感想が語られています。
続きも面白いので下のリンクから聴いてください。
https://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/hen/2018/01/hen_078405.htm